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「美人のお姉さん!」 亮がぴょこんと姿勢を正す。いつの間にかコン・ティンが開いた窓に腰掛けていた。コン・ティンが長い脚を組んで窓の縁に優雅に乗せると、亮の目が泳いで落ち着かなくなった。 『アムリタは、飲めばすべての病から解放され、不老不死を手に入れられるという、タ・プロームの秘宝なのです』 「わたしたち、遺跡を護る一族、アムリタ、護ってきた」 「遺跡そのものっていうより、秘宝をまもってたのか! でもさ、神とか魔物って、もともと不老不死なんじゃない?」  オレも亮の疑問はもっともだと思う。だけどスレイは首を振った。 「ううん。神も魔物もヒトからみれば永遠と思える時を生きるけど、いつか終わり、くる。 人は生まれ変わる。でも神も魔物も、終わりがくれば生まれかわること、ない。それっきり。だから神と魔物、アムリタを探してる。 その中でも、魔物ラーフは昔、アムリタを口に入れたところで首、切られた。だから首だけが不死になって、体、滅んだ。完全体になって復活するため、どうしてもアムリタ、必要」 「そういえば、スレイも宝探し、しようって言ってたよな?」
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