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「ん。わたしはタ・プロームの守護者。でも、アムリタのある場所、知らない。教えてもらう前に、お父さんとお母さんは死んじゃったから……。  だけどもしも、アムリタ、探し出して神に捧げたら。タプロームの遺跡を守る必要がなくなって、それで、もし……もしも、一滴だけ、でも……」  スレイはうつむいて口をつぐんだ。 『デバターが消えるかもしれぬな』  頭の中にはっきりと声が響いた。今までぼやけていたのが、急にピントが合ったみたいに。 ――なんだろう?  気になったが、今はスレイだ。 デバターが消えるかもしれない……ということは……。 ――そっか。スレイはアムリタを探し出して飲んで、デバターから解放されたいんだ。だけどスレイはタ・プロームを守る一族の末裔だ。神々の秘薬を自分が飲みたい、なんて恐れ多くて口にできないんだ。 でもオレは会ったこともない神より、まして魔物なんかより、スレイにアムリタを飲ませてやりたい! ずっと遺跡とデバターに縛られて生きるなんて、スレイがかわいそうだ 「スレイ、アムリタを探そう!」  オレはスレイの瞳をしっかり見つめて言った。スレイに信じてもらえるように。 「オレがアムリタを見つけて、デバターから解放してあげる! 絶対だ!」 「……ホント? ケント」  スレイが心配そうにオレを覗き込む。 「もちろん!」オレは親指をぐっと立てて、ニカッと笑ってみせた。「宝探し、しようぜ!」
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