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『嘘ではないぞ! 我はラーフの意識の欠片なのだ。なすべきことをなしたら、本体に戻る予定だったが、中央祠堂で浄化されてしまった。そのため本体に戻れなくなってしまったのだ』
「浄化っていうと、スレイが亮の胸をコブシで叩いたときのことだな。ようするに弱体化したラーフってことか!」
『…………』
「じゃあ、スレイのことをまかせろっていうのは、どうするつもりだよ?」
『アムリタを手に入れたら、まず我が復活する』
「だーかーらー、ラーフを復活させるなんてダメに決まってるだろ!」
『安心せよ。浄化されてしまった我が、本体とひとつに戻ることはもうない。ゆえにアムリタの力で我は体を得る。残ったアムリタはその小娘に飲ませればよかろう』
「それなら、まあ、いいかもしれないけど。でもデバターを起こすのはムリ! スレイが消えちゃう」
『アムリタを飲ませれば戻るぞ』
「一時的にでもスレイがきえちゃうなんて、ダメに決まってるだろ」
『理解出来ぬ』
「そういうわけだから、お前、もうオレの中から出て行っていいよ」
『いや。我はここにいる』
「なんで?」
『……』
欠片は急に話さなくなった。
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