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「うーん」亮は寝返りのついでに、チラッとまぶたを持ち上げ……、一瞬の間の後、「ウギャーッ!」と大音量で叫んだ。 「わあっ、シーっシーっ、亮!」  亮の口を手で押さえたが、遅かった。コウモリ達が一斉に飛び立ち、バタバタと部屋の中を高速で飛び回り始めた。 「もがっ! もががっ!」  亮はコウモリを指さして暴れる。 「亮、口閉じろ!」  亮が目を見開いて、コクコクとうなずくのを見て、オレはそーっと手を離した。 「な、ななななな、コココココ」 「うん、コウモリだな」と同意すると、亮はゴクンと音を立てて唾を飲み込んだ。 「コン・ティンさんは……外、だよな」と、亮が聞く。 「樹の上で寝ると言ってたぞ。スレイは……、お、クルン、やるじゃん」  クルンが羽でスレイを隠すようにして守っていた。その目は飛び回るコウモリたちを油断なく見張っている。コウモリが近くに寄ってくると、クチバシを振り回して威嚇する。  しかしクルンのがんばりにも関わらず、スレイを取り囲むようにコウモリが集まってきて飛び回り、その輪がだんだん狭くなっていく。  高速で上下にジグザグに飛んでいるが、コウモリ同志はぶつからないのが不思議だ。
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