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 亮の息が上がってきた。コン・ティンの力で、亮自身以上の力を出しているんだ。強くなれても、体に負荷がかかって、体力も息もそんなに長くは続かない。  コウモリの渦に出来た隙間が、また縮まり始めた。 『オーアーオアエー  キエロ ヴェロ ヴァテイル キエロ ヴェロ ケイル(闘い、倒すのを見せて)』  闘いを煽るように、コン・ティンの歌声がひときわ大きくなった。亮が息を大きく吸って、大技をはなつ。バラバラッと音を立てて、コウモリ達が落ちるのと同時に、スレイを思い切り引っ張った。力を使い果たした亮の膝がガクンと崩れ落ちた。  ずるっとスレイの手がわずかに竜巻の外に出てきた。スレイの指が何かを指さしている。  オレはスレイの指の先を目でたどった。他のコウモリよりも一回り大きく、目の色が赤い。他のコウモリ達を統制するように、飛び回っている。 ――アイツが他のコウモリを超音波で操ってるんだ!  スレイを狙っていた赤目のコウモリがオレの視線に気が付き、こっちに飛んできた。 オレはコウモリの動きを読み、すばやく狙いを定める。コウモリは鳥とは違って、変則的にしかも高速で飛ぶ。 「ここだっ!」
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