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オレは思わず声をあげ、スレイを見た。スレイは目を見開いて首をイヤイヤするように小さく振っている。
「どういうことだ?」
『アムリタの場所を探るために、スレイの中のデバターを目覚めさせようとしていたんだ』
「なんだって……」
「じゃあ、また、来る?」
『来るであろうな』
スレイの瞳が不安そうに揺れる。
「大丈夫だ。狙われるのがわかったから、備えられる。スレイはオレが絶対守る!」
オレはスレイにしっかりとうなずいて見せた。
『では、うちが我が主を守ります』
コン・ティンが胸に手を当てて、誓いのしぐさをすると、亮がハイハイっ! と手を挙げた。
「じゃあ、オレがコン・ティンさんを守る!」
コン・ティンがかけた「魅了」は解けたらしいが、亮は魅了され続けてるみたいだ。
コン・ティンはクスリと笑みをこぼして、亮をじっと見つめた。
「あ、あの、何か……?」
「ああ、いえ。体へのダメージはないようですね。我が主の命令がないのに、リョウに魅了を使って申し訳ありませんでした」
コン・ティンがしおらしく両手を胸の前で合わせて首を傾げる。
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