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「リョウ?! オレの名前、はじめて……! いやっ! ケントの命令とか、いらないですから! コン・ティンさんの力で助かりましたよ! なっ、ケント」 「お、おう……」  亮の勢いにおされて、思わずうなずいてしまった。でもあの時、コン・ティンが能力を使わなければ、勝てなかったのは確かだ。そう思うと、あまり強くは言えない。 「まあ! 許していただけるのですね! 優しい我が主、ありがとうございます」  コン・ティンはすかさずそう言って、オレの両手を、自分の両手で包み込んだ。 「えーと……、困ったな」 「ケントってば! もぅ、知らないッ!」  スレイは頬をふくらませてプイッと横を向いてしまった。慌ててコン・ティンの手を引きはがしたけど、スレイはふくれたままだ。 ――困ったなァ  天井に向かって、そっとため息をこぼしたとき、スレイの腕に抱かれたコウモリが、もぞもぞとを体を動かした。 「目、覚めた!」 スレイ、亮、コン・ティン、そしてもちろんオレに、一斉に見つめられたコウモリは、首をすくめた。 キョロキョロとみんなの顔を見回すまんまるの目と、ピクピク動く上向いた鼻(ちょっとブタみたい)が可愛くて、みんな顔を見合わせて笑ったんだ。
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