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「よし。じゃあ、コウモリ君、奥の方に危険がないか調べてきてよ」  コウモリ君は遺跡の奥に飛んでいき、すぐに戻ってきた。 「魔物はいた?」  コウモリ君に変わった様子はない。近くに危険はないんだろう。オレはホッと肩の力を抜くと、背中にしょった鞄からランタンを出して火を灯した。思っていたよりはずっと明るい。ランタンを左右に振って、外に合図する。 「おーい、降りてきていいよ!」  そう言ったとたん、亮が飛び込んできた。スタッと綺麗に着地。ちょっと悔しい。オレだってコウモリ君に脅かされなかったら、カッコよく着地できたぞ。  次はスレイだ。わずかな石の出っ張りにつま先をかけて、身軽に降りてくる。 「あれ? コン・ティンさんは来ないの?」 『い、行きますよッ!』  コン・ティンのつま先が空中で地面を探るように動いている。自分で作り出した蔓草にしがみついて、そろそろと降りてくる。オレは亮と顔を見合わせた。そして二人でコン・ティンをはさむようにして立ち、両側から手を伸ばして支えて下ろしてあげる。 「全員揃った?」 「ウン。クルンは、外」  後ろを振り返ると、入り口にクルンがとまっていた。
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