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 オレは下草に腰を下ろした。座ったら起きていられなくなるだろう、ってことは、思い浮かばなかった。頭の中まで気持ちよくて気持ちよくて……、ゆらゆら体が揺れて体が傾いだ。仰向けに倒れたオレの背中を下草が柔らかく受け止め、ふかっと沈み込んでから包み込まれた。  ふわふわ飛び回る虹色の光を目で追っていたけれど、瞼が重くなってきて……、すーっと眠りに引き込まれてしまった。  夢の中でもオレは樹の中にいた。ふかふかの下草から身を起こす。起きてるのか寝ているのか分からない。  虹色の光の粒が集まってきて、人の形に形作られた。光がかすかに動いているのか、人の形の縁が不安定に揺れている。 「きれいだ……」  光の人は両手を差し出してオレに近づいてきた。きれいだけど、オレとの距離が縮まっても止まらない。無意識にお尻をずって後ろに下がろうとして、ハッとした 。 ――足が動かない!  とっさに手を伸ばし、光の人を抑えようとしたけど、オレの腕は光の粒の中に、なんの抵抗もなく、すっと入ってしまった。光の人はオレの腕などなかったみたいに、近づいてくる。 「うわあっ」
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