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 まぶしさに目を細めたとき、光の人はオレを抱きしめた。だけどやっぱりなんの感触もなかった。もしも誰かが見ていたら、オレの体が光に包まれたって言うだろう。  だけどオレは、確かに抱きしめられたんだ。 『人の子よ……デバターの宿りし娘を守って……』  光の人の心が心の中に響いてきた。言葉じゃなくて、音にすれば風に葉がそよいだみたいな、さらさら……というような音だ。それでもオレには、光の人……デバターの残滓……の言いたいことが伝わってきた。 「はいっ!」  オレが答えると、体を覆っていた光は、ふわふわと飛んでシャボン玉みたいにはじけて、消えた。 「ケントー!」  スレイがオレを呼ぶ声で目が覚めた。  コウモリ君を先頭に、皆が気根のカーテンをくぐって駆け寄ってくる。夜目が利くコウモリ君がみんなを案内してきてくれたんだろう。オレは脱いでいたスニーカーを履いた。 「おー、亮か。ここ、気持ちいいぞー。ちょっと休んでいこうぜ」 「ケント、何、のんきなこと言ってるんだぉ!」 「ぶっ! 亮、あわてすぎ……」  と、言いかけたら、頭をコツンコツンとつつかれた。
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