最後のデート

「私たち、別れよ」

　一週間前、大雅に別れを切り出した。

　高校一年生の冬に付き合い始めて、約三年。
　三日、三ヶ月、三年。
　三のタイミングで別れやすいって話を聞いた事がある。

　まさしく三年。
　別に浮気されたわけでもない。
　他に好きな人が出来たわけでもない。
　ただ、変わらない日々に何も感じなくなってしまった。

　付き合い始めの頃は、連絡来るか来ないかで一喜一憂して。
　手が触れるだけでドキドキして。
　少しずつ近づいていく距離が恥ずかしくて、嬉しくて。
　そんな毎日が幸せだった。

　気づけばそんなトキメキをすっかり感じなくなって。
　すっかり慣れてしまった温もり。
　居心地はいいけれど、それって『恋愛』なのかな？
　当たり前に繋ぐようになった手は、「じゃあね」って帰る時には簡単に離れる。
　寂しくて、離れがたかった指先。あの想いは、もう戻ってこないの？

　『倦怠期』だって友達には言われた。
　ここを乗り切ればきっとまた楽しくなるよ、なんて言われたけど。
　日に日に、私は大雅に物足りなさを感じている。