最後のデート

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 スタッフさん一同に見送られながら、テーマパーク内へと歩を進める。  ……何でこんな事に。  思わず眉間にしわが寄る。その瞬間、こめかみで何かがずれる違和感があった。  さっき記念品でもらったカチューシャだ。  記念品だから特別デザインで非売品だって言ってたっけ。  つまりこれを付けているだけで、目立つ。  ……はずそう。ただでさえさっき注目されて恥ずかしかったのに。 「ちょっ、なんで外そうとしてるの?」 「いや、だって恥ずかしいよ。変な注目されるもん」 「でもさっき、スタッフさんが言ってただろ?『今日は一日これを付けていてくださいね』って」  何でも今日一日は、このカチューシャがパス代わりになって、アトラクションもレストランも待ち時間なしって。 「大雅は?恥ずかしくないの?」 「俺は絵麻と一緒だったら何でも楽しいし、恥ずかしい事なんてないよ」  その時、正面から小刻みな足音が聞こえたと思ったら女の子二人組が近づいてきた。
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