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「おめでとうございまーす!」
ゲートをくぐると、ぐるっと取り囲むようにテーマパークのスタッフが並んでいた。
一斉に拍手が巻き起こり、私は状況が全然理解出来ない。
「な、なに?」
全員、満面の笑みでこちらを見てるのが、なんだか不気味にすら思える。
「え?本当?やった!」
隣で大雅が目を輝かせる。
どうやら大雅はこの状況を理解しているみたい。
私は説明してもらおうと、大雅の袖を掴んだその時、前から花束を持って女性が近づいてきた。
「おめでとうございます。お客様は累計1000万人目に来場されたお客様です!」
……へ?
「う、そだぁ」
思わずそんな声がもれた。
だって、そんな記念に当たっちゃいけない。
なぜなら私たちは今日、最後のデートに来たのだから。
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