便座 

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便座 

久しぶりに正のマンションに遊びに来た。  玄関であいさつして  「お邪魔します」 と、上がり込んだ。  奥さんの、りさちゃんに会うのも久しぶりで3人で鍋を囲んだ。  2人共僕には、笑顔で、交互に話しかけてくるものの夫婦では、全く話をしないし、目も合わそうとしない。  「喧嘩してるんだ」 と聞くと正が  「わかったそうなんだよごめんね気使わせて」  「なんで喧嘩してるの?」 りさちゃんが  「ちょと聞いてよひどいんだよむかつく武志君ならわかってもらえる気がする。」 「馬鹿じゃねぇの。武志だって男なんだから、俺の味方に決まってるだろ」  「で、原因はなんなの?」 「あのねトイレの便座あるでしょ。洋式便所の」 「うん」 「あれをあげておくか下げておくかでしょっちゅう喧嘩になるんだよね。これが、解決したらノーベル平和賞ものだって」 「うんそうかも」 「タケシは、もちろんあげておくよな、一人暮らしだし」 「うーんやっぱり男だからあげておいた方が、都合がいい時が、多いよね」  「そうだろ。な!」 「タケシ君もしょせん男か」 「でも俺は、普段は便座は、下げておく」 「ハァ?うそだろあっあーあー分かったタケシおまえあれだろなさけねえなー最近いるらしいな、男のくせに座って小便するやつ」 「えーそうなんだ、タケシくんかっわいい正もこれからそうしなよ」 「無理絶対無理」 「できるよ男でしょ」 「男だからできないんだ!」 「まぁまぁ落ち着いて俺は、お小水は座ってしない立ってするよ」 「えっそうなの?」 「うん、なんで便座を下げて置くかというと年に一回、二回あるかないかだけどお腹こわすことあるでしょ」 「ある!俺なんか腹弱いから月に一回ペースで下す」 「ごめんね食事中に、そういう時ってさトイレ行く時ギリギリでしょ。公衆便所とかでさ、汚い話しだけど、本当に数センチはみ出てるってのよく見かけるよね」 「ある!気持ちもよく分かるギリギリ我慢してパンツおろしたってときに、ホッとするっていうか気がぬけちゃうんだろうね」 「うん、そう多分本当コンマ何秒だから、そういう時に便座が下がってたら嬉しいでしょ」 「本当だ」 「タケシ君ノーベル平和賞ゲット」 「やったーでも便座もふたも降りてたほうが入った時、気持ちが良いけどね」
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