Teeming Rain【Be with you……】

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Teeming Rain【Be with you……】

 神社を少し離れ、木々に囲まれた小路を歩く純真と白夜。雨脚も強まり、風なんかも出てきた所で、彼女が言っていた目的地であろう建物が見えて来た。   「雨宿り出来る場所って、あれですか?」  純真がそう問えば、目も合わせずに首肯のみの返事。今日の白夜はちょっとだけ大人しく、彼も緊張を余儀なくされた。 「旧社務所。今は使われてなくて、ちょっとした物置になってるんだよ」 「そうなんですね。勝手に入っても大丈夫なんですか?」 「さっき私と喋ってた男の人……光蛍神社の神主さんなんだけど。  あの神主さんがね、子供達に『隠れんぼや休憩場所に使ったりしていいよ』って解放してるみたい」  だから行こ、と引かれた手。純真は多少の不安を覚えつつも、彼女に従った。  木造建築のちょっとした平屋みたいなそこは、雨風を凌ぐには十分過ぎる程の建物ではあったが、如何せんボロ臭い。  鍵はかかっておらず、入れば小さな玄関があった。彼女は躊躇無く靴を脱ぎ、奥の方へと進んで行く。 (本当に大丈夫かな、ここは……)  ボチャクロウを放して、溜息混じりに閉じた傘。所々で雨漏りが見られ、廊下は静かに歩いていてもギシギシと音が鳴る。  電気も通ってないのか、狭い上に薄暗い殺風景な部屋。積まれたダンボールやら、埃を被った書棚、机、そして二人用のソファーと。ちょっとした雨風を凌ぐなら、確かにいい場所ではあった。 「寒かったよね」 「俺はそんなにーー……って、何してるんですか?」  白夜は押し入れらしき場所を開け、布切れも甚だしい毛布のようなものを取り出した。  そうしてソファーに座り、肩にかけた毛布を広げながら「ばる君はここ」なんて、微笑みながら誘導してくる。 (ああ、なんか色々とやばいかも……)  少し濡れた姿と、無防備な仕草で隣へと誘われ走る緊張。鼓動がランニングした時のように脈を打つ。  それでも、純真に断る選択肢はない。息を飲んで、彼は白夜の隣へと座り、大人しく毛布の中へと入った。
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