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「ぽかぽかだね」
「はぁ……」
ただでさえ狭い毛布の中、密着した上で握られた手。無防備にも程があると、純真は部屋を物色するかのように歩き回るボチャクロウへと視線を流していた。
雨音が沈黙を喚かせるから、気が気でいられずに。純真は何か生産性のある話題をと思考を凝らす。
それは表情に出てしまい、口を抑え考え込む気難しい横顔が白夜の瞳で咲いていた。
「へっ……?」
ぷに、と頬に刺された指。純真が驚いた末に彼女を見れば、そこで柔らかく微笑むだけの仕草。
可愛過ぎて、どうしようもない。考えるより先に奪ってしまった唇。そこに拒否はなく、唇を離しても彼女は瞼を開けなかったから。彼は引き込まれるように、また口付けを重ねてしまうのだ。
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