Teeming Rain【序章】

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Teeming Rain【序章】

 嗚呼、早く晴れたらいいのに。  そうしたら、今日もあの人と楽しく遊べたかな。  晴天を願う理由が貴方なら、それは恋の証なのかもしれない。  だって、私は太陽が大好きだから。  見えない影、失くした記憶。その背景にはいっつもね、眩しい陽射しが降り注いでるんだよ。  それが眩しくなればなる程、影は陽炎のようにゆらゆら揺らいで、黒い形ばかりを濃くして見えなくなってしまうけれど……  光があるから、影があるって言うもんね。    上手く言えないけど、ばる君はきっと、私の失いかけた光だ。だから好き。  見つめたら見つめた分だけ、触れたら触れた分だけ、溶けてしまいそうになる。それ位、何もかもが優しくて暖かさに満ち溢れた人。    次は影に埋もれてしまわないように。  この幻想の闇に沈んでしまわないように。  大事に、大切に想うの。だから、このふたりぼっちには誰も要らない。不純物なんて、絶対に混ざらせないんだ。
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