料理

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マグカップに入った紅茶から甘いストロベリーの香りの湯気が優しく私を包んだ。 「この紅茶いい香り」 「気に入ってくれました?愛子ブレンドなんですよ」 暖かくてほのかに甘い紅茶が喉からお腹に流れて行くのがわかる。私の中にあった刺激物を溶かしてくれている様で気持ちが楽になり、静かに瞼を閉じると鼻から紅茶の香りを思い切り吸い込み大きな深呼吸をした。 私はマグカップを持ちカウンターの方に行くとキッチンを覗いた。 「ここで愛子さんが料理しているの見ててもいい?」 愛子さんは一瞬手を止めて私の目をしっかり見つめると静かに微笑んだ。 「勿論」
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