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みんなで食事
「蛍がウィンナー咥えてたらなんかエロいよなー」
もぐもぐ幸せそうに頬張る蛍を見てふと思って、つい声に出してしまった。
「は??」
突然の言葉に蛍は顔を顰めた。
「俺の勝手なイメージだけどさ、誰のでも咥えてそうじゃん?」
「……は?」
なんつーか誰のでもってより、言われたら否定するけど、グイグイ来られると推しに負けてやっちゃう。みたいな感じ?
「おい、蛍を変態扱いしてんじゃねぇよ」
隣にいた篠原が黒いオーラを背負って、ギリギリと音を立てながらフォークを握った。少し変形してるけど勝手に壊しちゃダメだろ。
「おぉ、怖い怖い」
遥輝さんがニヤニヤしながら言うと、フォークか
らメキッという音がして、さらに形が変わった。バケモンかよ。
「思ってねぇだろ」
「圭人くん、ヤクザみたいね」
おばさんが目を丸くして言った。一瞬部屋がしんと静まり返ったけど、すぐに皆ぶっ!と吹き出した。
おばさんは『えっ?なになに?』と不思議そうにしながら俺らを見た。
みんなが笑いおさめたころ、蛍がまだ楽しそうにしながら篠原を見上げた。
「あのね、圭ちゃんね、犬系ヤクザじゃない?」
「なにそれ」
篠原が訳わからないと言いたげにくくっと笑った。
「うん、だってさ、いつも犬っぽいのになんか急に怖くなる時あるから」
「あー……でも犬系ヤクザっておかしくない?」
「そう?凄くいいと思ったのにな」
「さすがにそれは同意出来ないかなぁ」
「そっか、みんな頷いてるけどなぁ……」
「……ちっ」
ん?舌打ちしたな?篠原ってホント治安悪いよなぁ。
蛍が驚いた顔でじーっと顔を見つめていると、蛍に気がつぬと嬉しそうにニコッと笑んだ。そして、チュッと唇を重ねた。
「んむっ?!」
蛍の顔が爆発する勢いで顔が赤くなる。
「あら、圭人くん。お食事中はダメよ?」
ふふ、と嬉しそうに微笑んで2人を見つめた。
「うぁぁああっ!サイコーかよぉ!」
お、推しカプが目の前でキスなんてっ!こんな幸せなことがあっていいのか?!
心の中で悶えているつもりが、いつのまにか声に出していたらしく、篠原にはゴミを見るような目で見つめられた。
「初音煩い」
「仕方ねぇだろっ!」
八つ当たりするように言うと、蛍は焦ってアタフタした。
「蛍お前ホント初心だよな」
「だって恋愛なんかしたことないし……うぅ……」
困ったように頭を抱えて俯く蛍を篠原が勢いよく抱きしめた。
「っ!」
「ねぇ蛍、僕と恋愛してくれるの?」
篠原は目をキラキラさせてグイグイと蛍に近づいた。
「うーん……まだ分かんない」
蛍は上を見て考え込んだ。
「そっか、早く僕たちの子に会いたいなぁ」
それは気が早すぎると思うな。
「圭人くん早いわよ?それにそんなにすぐ子どもつくってたら2人きりの時間無くなるわよ?」
「はっ!そうだった!どうしよう蛍!」
「なにが?」
「早く子ども欲しいけど2人きりの時間もいっぱい欲しい!」
「そんなの今考えなくてもその時考えればいいよ」
「そうだよね!」
篠原テンション高いし情緒不安定だなと思いながら篠原と遥輝さんが言い合うのをボーッと眺めた。
2人の怒りがおさまらなくて、結局蛍のお母さんがキレるまで喧嘩は続いた。
🌷🌷🌷🌷🌷🌷
こんにちは🌞
こっち久々の投稿ですね…すみません😅
今更ですが、この話は2人が付き合うまで『未来予知』の内容が暫く続きます。(付き合った後もちょくちょく入ってきます。)
予めご了承ください❗️🙇
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