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「澤田さんのーーーおっしゃる通りです… でも澤田さん… 澤田さんは私があの人をーーー誰かの力を借りてゴミ入れに入れたとおっしゃいましたけどーーーー ーーーー…私はあの人を1人でゴミ入れに入れました… ーーーだからーーーー ーーーーー紺田君は何もしていません」 紺田君の顔を私はかろうじて見つめた。 紺田君の顔は血の気が引き、いつもの健康的な男性らしい血色では亡くなっている。 自分の好きな女性がーーー人を殺した。 彼の自律神経の働きは、正確だ。 ごめんね。 紺田君をーーーーこんなふうに傷つけてしまうなんて予想外だったの。 「1人でーーーーー? …それは無理があると思いますよ…貴女それに…妊娠しているんですよね……? その貴女が細身とは言っても…大人の男をあの袋形のゴミ入れに入れるのは……どうしても不可能だと思うのですがーーーー」 澤田さん困った様な顔をした。 問い詰めると言うよりは、いつからかこの人は私に接する時、諭す様な言い方をする様になった。 それはなんでだろう。 私が一度、この人に問い詰められて怒ったからか、それとも私を捕まえる時に湧き上がる、罪悪感からなのか。 もしくは私の周りのーーーちなみや葛西君ーーー紺田君の事を思っての事なのか。 「ーーーーゴミ入れのキャスターをロックして壁側につけてーーー動かない様にした状態にしましたーーー。 そのゴミ入れをあの人の前に置いた状態でーーーーーー ーーーー私は後ろからあの人の心臓を刺しました。 そうして殺してーーーそのまま頭だけゴミ入れに突っ込む様になったあの人のーーーー 足だけを持ち上げて、そのまま袋に滑り込ませましたーーーー」 淡々と説明する私に、紺田君は声も出せないでいる。 澤田さんは息を飲み、そして細く息を吐いた。 「ーーーー随分計画的というかーーー難しい条件が揃わないといけないと思うのですがーーーー」 「その時はゴミ入れにあの人を入れるなんて考えてませんでしたーーー… たまたまゴミ入れの前にあの人がいた時にーーーー私はあの人を刺してしまったんです…… ーーーーまるで神様が…今だ…って… ……そう耳打ちしたかの様に」 私が言うと澤田さんはなんだか寂しそうに目を伏せて、ダイヤモンドの入った袋をポケットにしまった。 「ーーーー神様ですか…… 悪魔じゃなくて、神様ーーーーかーーー …貴女はどうして…… ーーー自分の夫である津田先生を殺害したんですか?」 言われて考える。 私は最初の最初から、神様と悪魔の声を聞き間違えたのかも知れないと。
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