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「デートレイプドラッグ…知ってる?
飲み物に混ぜてーーー大人しくさせてからレイプする為に使う。
ーーーー美緒を喉から手が出る程欲しいって男がいてさーーー今日食事した後に、その男に美緒を紹介しようと思ってーーーーー」
頭が真っ白になった。
何で伊賀がこんなもの持ってるんだーーーそもそもーーー美緒と伊賀は幼馴染な筈だろーーー?
小さい頃から一緒に居た幼馴染の美緒をーーーー美緒を喉から手が出る程欲しい男にーーーー紹介するーーーーー?
「ーーー紹介ってのも変か……
ーーー売るんだ、美緒を、その男にーーーー」
その瞬間、俺は伊賀の胸ぐらを掴んだ。
伊賀は俺がこうすると分かっていたかのように、声を上げて笑った。
「ーーー驚いたな…!
ーーーーお前が俺にこうやって来るなんて…
…もっと育ちが良いーーー可愛い顔した、お坊ちゃんだと思ってたのにーーー」
「警察に連れていく…犯罪だぞ…!!!」
俺が言うと、伊賀は呆れるように笑った。
「犯罪だよ?ーーーだからなんだ?
ーーーー言っておくけど美緒の携帯は俺が持ってる……俺が自分を売ろうとしてるって……お前が伝えようとしてもその術は無いーーー
ーーーーーだからさ、交渉しようぜ?」
伊賀は俺の手を自分の胸ぐらから外した。
「ーーーー交渉?」
俺は何故か、その交渉内容を尋ねてしまった。
伊賀はその切れ長の目に、冷酷さを湛えて息を吸った。
「お前辞退しろよーーー明日の、研究発表会」
「ーーーーーー」
その言葉を頭の中でもう一度繰り返す。
辞退ーーーーー?
今までーーーー何ヶ月もーーーー何年もかけてやってきたのにーーーーー?
「ーーーお前がいると俺が1番になれないんだよ。
ーーー大学の時からーーーずっとそうだった…
ーーーー邪魔なんだよ…お前……!
ーーーーなぁ…安いもんだろ…そんくらい…!
お前さえ辞退すれば…美緒にこれ飲ませるのも辞めてーーーーその男に売るのもやめてやるよーーーー?」
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
美緒を助けたい。
でも美緒に伊賀が悪い奴だと伝える術は無い。
美緒を助けるためにはーーー明日の研究発表会を諦めなければならないーーーーー
「ーーーーよく考えろよ…
ーーー美緒がその男にーーー好きに弄られて…ボロボロになってもいいわけ?
その男レイプが趣味なんだよなーーーー…
……薬飲まされて抵抗できないまま……ソイツのオモチャになるなんて可哀想だろ?
ーーーー俺だって本当はこんな事したく無いぜ?
…可愛い美緒を思えばお前もーーーーー」
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