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「ーーー可愛がってやるよーーーー…!」 先生は私をそのままソファに押し倒した。 一気に迫り上がる恐怖心と絶望。 目の前にいる先生はーーーー紳士の皮を被った悪魔だった。 先生は私を上から下まで舐めるように見てから、嫌がって泣き叫ぶ私をあっという間に下着だけにした。 「嫌だッ…!…ねぇ!誰か!!! ここ開けて!!!…誰かッ!!!」 私は渾身の力で抵抗する。 嫌だーーー澪以外の人とこうなるなんてーーーー絶対に嫌ーーーー 「ーーーーーーッ!!!」 パンと音が鳴り、頬に鈍い痛みが走る。 私は思わず、打たれた左側の頬に手を当てた。 先生は楽しそうな笑みを崩さずに、私を見下ろしている。 「ーーーー誰も来ないよ…俺のお人形さん遊びをーーーここの連中は知ってるんだよ… …最後に…もう一回言おうか…? ーーー青木がーーーーーどうなってもいいわけ?」 「ーーーーーー」 先生の声は笑っている。 私の脳裏に、澪の顔が蘇る。 私が条件を飲まなければーーー澪は警察に捕まるーーーー ーーーー澪は毎日毎日ーーーあんなに頑張ってきたのにーーーー 「伊賀のお母さんだってさ、可哀想だろ? 可愛い1人息子が事故で死んでーーー それが実は自分の息子が…卑劣な取引をしたばかりにーーーー学友に階段から突き落とされて死んだなんて知ったらーーーー ーーーあのお母さん…もう生きて行けなくなっちゃうよ」 脳裏に蘇る、葬儀の時の淳子さんの顔。 ーーー私さえ…我慢すればーーーー… 私は震える掌をぎゅうと握った。 握っても、震えがおさまる筈はない。 先生がベルトを緩める、カチャカチャという金属音がやたら耳についた。 澪がーーー警察に捕まるなんてーーーー 翔也がーーー先生に唆されて澪を脅したのがバレてしまうなんてーーー それをーーー淳子さんが知るなんてーーーー そんなのーーーー嫌だーーーーー 「ーーーッ…!…ッ…う……! …あぁッ…ーーーー!」 下腹部に感じる鈍痛に、思わず息を止める。 「ーーーいい子だ…湯川……! ……ホラ……もっと……もっと鳴いてみろ…!」 私は震える身体を先生に預け、先生のを受け入れる。 先生は直ぐに激しく腰を動かし、抽送を繰り返す。 私は痛みの為に出そうになる声を必死で堪える。 声を堪えた代わりに、涙が頬を伝っていく。 澪ーーーーごめんーーーーー 「青木も幸せだよなーーーー ーーー湯川みたいな女に好かれてーーーーー」 濡れてない私の中で、激しくなる先生の動き。 痛くて、苦しくて、私は思わず呻き声を漏らす。 「ーーーッ…痛ッ…!!! あ…ッ…!…………や………!」 痛みで身体が縮こまろうとする身体を、先生は容赦無く押さえつける。 「…ッ……優しくして…やろうか…? ーーー…ホラ……口に出して言ってみろよ…! 『優しくしてください』ってーーーさ?」 先生は泣きながら呻く私を押さえつけ、嬉しそうに提案した。 提案の最中も痛がって身を捩る私の事なんて構わず、先生は欲望のままに腰を振り続ける。 私がお願いの言葉を言うより先に、私の中に自分のをたっぷり吐き出した先生は、私の上に体を預けて息を切らしている。 「ーーー明日青木と別れてこいよ…… ーーー早く別れたほうがーーーーお互い傷も浅いだろーーー?」 先生はそう言って、私の胸に顔を埋めたまま、震える私の身体に手を回した。 そうーーーーー 私はこの日から、先生の人形になった。 約束通り澪と別れて、大学を卒業して、直ぐに先生と結婚した。 毎日先生の好きな服を着て、先生の好きなネイルをして、先生の好きなロングヘアで、先生の好きな下着をつけて。 心の中でずっと澪の幸せを思いながらーーー 私は毎日先生に抱かれて、先生が望んだ通りの生きた人形になった。
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