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仕事終わりや休日にこの店に来て、コーヒーを飲みながらゆっくり読書をするのが習慣になっている。
普段は落ち着いた色のトップスに、タイトスカートかパンツスタイルが多いんだけど、今日は休みだからラフな格好で来てる。
私を含めた客達の手元にある珈琲カップは、温度が冷めにくいよう陶器で作られていて、上品なデザインのもの。
落ち着いた雰囲気の店内も、内装に合ったカフェテーブルとお揃いのオシャレな椅子も、北欧風で控えめなジャズも全部お気に入りなんだ。
まぁ、それはさておき。
今日はいつもと違う。
ヒステリック気味に叫んだ女性客の声が平日の和やかな空気を切り裂いて、驚いた私はそちらを振り向いた。
焙煎された芳醇な香りに包まれた、快適な店内は一気に静まり返る。
駅からそこそこ離れているこのカフェは、わかりにくい場所にあるというのにいつもお客さんでいっぱいの人気店だった。
そんなお店で突然起きたトラブル。
全員が注目しているのは、一番右端のカウンター席付近にいる2人の男女。
そこには興奮した様子のマダムと、白いシャツにグレーのエプロンをした男性店員。
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