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三十後半にもなって、稼いだ金のほとんどを賭け事につぎ込んでいるため蓄えはない。恋人もできぬまま酒に溺れる陳腐な日々。
親父が早くに死んで女手一つで育ててくれたお袋は、俺が二十歳になったときにぽっくり逝った。親孝行もまともにできず、いつ死んでも後悔さえないような自堕落な人生だ。
暗くなる思考を鈍らせるようにビールを呷った。
あの後、駅前をふらふら歩いていた奴を捕まえて、少し話をしてから解散した。一本しか飲んでいないというのに、朝起きてみると頭がぼんやりとしていた。
パチンコ屋の景品でもらったジャーキーを齧り、腹を満たす。身支度をして仕事へ向かった。
俺の仕事は運送業である。指定された時間までにトラックで荷物を届ければいい、いたって単純な作業だ。
人の目を気にせず働けるし、自由に休憩をとることもできる。出社時にアルコールチェックがあるため、平日に大量に酒を飲むことはできないが、それを除けばこの仕事は俺に実に合っていた。
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