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「そ。フーマが春から参加してる合奏曲。というか、吹ける吹けないに関わらず新入生もみんな参加なのよ。自分の仲間は自分で見つけろってね。それじゃ、それはフーマのノルマね」
「え?」
「じゃ、よろしく~」
言うが早いか、朱音先輩はすぐに昇降口に向かい、早速気の弱そうな女子にチラシを押し付けていた。
「まじかー」
というかこのコンサート、いくら曲目は簡単だからって、GW? もう一カ月しかないじゃないか……。こんなビラ配りに時間を使っていいのだろうか……。
「あ、フーマ! 合奏の時間までに配り終わってね! 人数少ないフルートパートに任せられた大役なんだから!」
貧乏くじじゃないかっ――!
大声で伝えてくる朱音先輩にため息をつく。つまるところ、あれだ。普通は個人で基礎練習をした後に楽器ごとに分けられたパートで練習するんだけど、フルートはふたりしかいないんだからその間に勧誘活動していろと、そういうことだろう。
「はぁ、まあ基礎練は朝昼でしっかりやってるからいいんだけどさ……」
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