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ある時、黒金隼人は時空間の中で帰路についていた
あぁ元の世界に戻る時に過ごすこの暗闇は、行きの光景に比べて質素で暗黒だとこぼしながら
その中はまさに数学で、彼はこれを数学さんと呼んでいた
数学さんはいつどんな時でも彼のそばに居て、そして空間を包む役割を担っていたが、その限りではない
暗闇は数学さんの管轄下ではなく、そこには正確な時を刻むものは存在しない
仕組みが面白いほどよくわかる学びを学びたくはないか?
彼に向かってそう尋ねる声が聞こえ、驚いた彼はおもむろに数学さんと別れた
アリエナイ、ここに居るのはただ俺だけだ
そう、だがクロノバイザーから見える過去の自分にお辞儀をしたことがなければその限りではない
基本にそぐうべきならば私は数学さんに現れることはできないが、言葉は時も時空も法則も超えるんだ、
海底でさね融け合う境地にあった彼は思わず逃げてしまった
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