床下

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暫くすると、土とは違う感触がスコップから伝わってきた。 ゆっくりと周りの土をどかして見ると布の様な物があるのが分かる。 「杉本・・・これ・・・」 ライトを照らす杉本を見上げる。 杉本のゴクリと唾を飲む音が聞こえた。 「ハサミか何かないか?」 「ハサミ?・・ああ待ってろ」 直ぐに杉本は、リュックの中から大きな裁ちばさみを持ち俺に渡してくる。 ハサミを受け取った俺は慎重に布を切っていく。やけに手が震える。身体が冷えているせいではない。暑くもないのに額から汗が流れ落ちた。 「・・・見つけた」 大きく切った布を広げ中を見て見ると、アカが言った様に骨の様な物がいくつも入っていた。 俺は立ちあがりクローゼットの方に向かって 「アカ!見つけたぞ!骨だ!」 と大きな声で言った。 段ボールに座りこちらの様子を見ていたアカは立ち上がり ~あったの?!良かった~ と嬉しそうに言った。 「これからどうするんだ?供養するって言うのなら、寺に持って行って拝んでもらうのか?」 ~うん。そうなんだけど・・・~ 「どうした?」 ~供養するのは、明後日にして欲しいんだ~ 「明後日?なんで?」 ~明後日は、皆の月命日なんだ。実際は皆が死んだ日はなんだけど、私が決めた~ 「・・そうか。分かった」 ~無事に供養が出来る事を願うよ~ 意味深な言葉を言ったアカは、クローゼットをパタンと閉めた。 その瞬間「わぁぁぁぁっ!!」と言う杉本の叫び声が部屋中に響き渡る。 驚いた俺は杉本を見上げたが、その時には既に玄関から飛び出して行ってしまった。 「なんだ?・・・アイツ」 俺は呆然と立ち尽くし半開きになり揺れる玄関を見ていた。 杉本がどうして突然叫び、出て行ってしまったのか気になったが俺にはやらなくてはいけない事がある。 新聞紙の上に一つ一つ丁寧に骨を拾い上げる。黄色がかったとても脆い骨。それ程大きくない骨は少しでも指先に力を入れると砕けてしまいそうだ。慎重に全てを取り出すと新聞紙で包んだ。 その後、床板を打ちつけ畳を戻す。これがかなりの重労働だ。 全ての作業が終わったのが深夜二時過ぎ。 くたくたになった身体をベッドに投げ出し、俺はそのまま眠りについた。
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