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今浪隆利(いまなみたかとし)さん
「この世で俺様が一番」を地で行くゴールドシップ、人間だろうと馬だろうと彼は誰のいう事も聞かない・・・ただ一人を除いて。
今浪隆利、ゴールドシップの厩務員(お世話係の事)である。
初老の優しそうな痩せ型のこの男にゴールドシップはデレデレであった。
馬であるゴールドシップが今浪さんをどの様に認識していたか分からない。
だが明らかに彼に対する態度だけは違った。
容易にゴールドシップに近づけるのは今浪さんだけだった。
「今浪に任せておけば、ゴールドシップの荒さを無理に矯正しなくていい」
こうしてゴールドシップはゴールドシップのまま、2011年競走馬としてデビューする。
翌年2012年。
ゴールドシップは最高ランクのレース、G1レースを1年間で3勝しその年の年度代表馬に選出。
一流どころではない、超一流として競馬ファンに認められていく。
しかし翌年からゴールドシップの気性の荒さはますます手が付けられなくなり、まともに走る事すら難しくなっていく。
2013年、2014年となんとかG1レースを1つずつ勝ったが、まともに走ってさえいれば・・・と思わずにはいられないレースが多かった。
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