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ラガーレグルス
ちょうど2000年、ミレニアムという言葉を誰もが口にしたその年。
権威ある大レースの1つ皐月賞において、ラガーレグルスという馬がレーススタート、ゲートが開くと同時に後ろ足二本だけで立ち上がってしまい、そのまま発走する事無く競争中止となった。
競馬をギャンブルとして楽しんでいる者なら、自分の予想が外れる事は当然であり受け入れている事だ。
しかし、こういったラガーレグルスの様な現象は受け入れられず激怒するファンは多い。
なぜならラガーレグルスは競争すらしていないからだ。
これが最後まで走り切ったのなら、負けても文句は有るが受け入れられる。
ゲートが開く前、レーススタート前に馬が急変したり、アクシデントが起こった事によって、出走できなくなった場合、その馬に集められた賭け金は返金される。
だが、ゲートが開いてしまえば、馬がこけようと、騎手が落ちようと、カラスや猫が乱入して邪魔されて止まってしまっても、そのあらゆる要因によって競争に参加できなくても敗北として扱われ、賭け金は返金されない。
競馬においてレースの成立はゴールした時では無くスタートした時なのだ。
皐月賞のレース時間は約2分。
たとえ馬券が外れても本来2分は、馬券が当たるか外れるかのドキドキを楽しむ事が出来る。
その筈なのだがこの年の皐月賞、ラガーレグルスに賭けられた56億円分の馬券はゲートオープン1秒で紙屑となった。
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