個人的にお気に入り短歌

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個人的にお気に入り短歌

  美しい姿じゃないけどわたしにも赤い林檎を1つ下さる?   人生がイージーだったらとは言わないせめてノーマルモードだったら   西日射す音楽室で君が弾くショパンがたまに聴きたくなるの   わたしはね魔法使いになったからメイクひとつで可愛くなれるの   足元が脆いから今ここにいる僕は泥泥してて綺麗だ   眠れないダブルベッドに独りきり天使が君を訪ねる毎夜   気づいたら君のお気に入りのお菓子レジを通して今帰宅中   「死ぬ前にディズニー行こう」君は言うベランダから身を乗り出す僕に   「どうせなら走馬灯は楽しいものにしようね」と言い出したのは君   君といるときのわたしがかわいくてすきです文句言わせませんよ   金木犀薫る夕闇こだまする5センチ先の君の笑い声   私はねガラスの置物じゃないから透かしても映るのは君だけ   神さまの涙は雨か流星か星型の飴ならいいのにね   気まぐれな君と甘えたな僕とでこたつで丸くなりたい気分   はすたおるわれは花盗恥じらいの今様衣飛沫をあげる   暖に飢え店の出口で待つわたしの頬を撫でる君は秋風   18に満たぬある夜父親のタバコ2箱すっていた夜   ぐるぐるとちょうちょがまわる それだけだ.しばらく君の姿を見ない   ばら組でおえかきしてたぼくの夢燃えていたんだ 燃えていたんだ   「しにたい」がダストボックスから溢れ捨てきれぬ今日もチョコを齧る   1粒のハート欲しさに好きだとか量産してみる どうでも「いいね!」   アイシャドウよし,チークよし,ルージュよし,お気に入りの服で君を待つ   薮椿刃渡り五寸をかざされて落ちた花弁の哲学をする   道端の花まで愛でる君と朝一緒にご飯を食べる毎日   月の瀬で水面に映る君と僕7色の空接吻(くちづけ)の影   大切な人をなんとも素晴らしく言ってくれるね,覚えておけよ   君はただ声穏やかに破顔して,でもその目だけ笑ってないね   愛してるって詠む歌はいくつある?この先も多分増えていくけど   溜まってた喜怒哀楽を捨てないで拾ってくれたきみは友達   Q.フィルムには捉えられないもの何だ? A.桃味のキス,君の心音   そんなことあっただろうか思い出は押し入れの奥 取り出せないや   どこにでもいて家出した時だっていつも明るい真夜中の友   あなただけ行き場なくした僕たちにご飯をくれた 広場に献花   テレビ前真夜中に見た生中継兵どものきせきはここに   寝不足にだって幸せはあるんだと初めて知る夢の縁に勝ち鬨   グラウンド上にボールと人だかりそれだけで さあ,夢の時間だ   小犬みたいな目で走る人の背は押したくなるね僕らの声で   少しずつ冬を溶かしてゆくようにこたつの中でアイスを食べる   めぐり逢うように祈った 掛け違え余ってしまったボタンのように   さあ撫でて?私の黒くうるわしい毛並みを君の暖かい手で   星が降るような煌めき僕が住むワンルームに君の水彩画   「今日までの悲しみ瓶に閉じ込めて飾っておけばほら,綺麗でしょ?」   ほらここに悪い子あつまれ 今だけは僕らを生きるだけの時間だ   まだ何も僕は知らない君のこと 実は君が雪の妖精だとか
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