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#言葉の添え木
○ 「風の栞」
せっかくセットした髪
着いた頃にはもう荒れまくり
せっかく築いた生命
強くないのに向かい風吹き
ひたすら歩いてきた道
もう前も見えないし
膝から崩れたとき
頬を撫でてゆく風たち
風 なんて都合のいい奴
僕は最後に感じると決めた
重力にのせて加速せよ
○「強いと弱い」
強くなきゃダメですか
弱い僕では ダメでしたか
善くなんて生きられない
でも「お前のせいだろ」とも言えない
だから弱いんだ
どうしても1人じゃ立てない
ねえ
助けて
なんて言えたらな
○「視界」
歪む道 上がる悲鳴
顔も名前も知らない殺人鬼
指先ひとつで人は簡単に死んじゃうんだ
痛いよ 助けて
刺されたんだ言の刃で心を
みんな僕のことを透過した
高架下 風圧がかかる
自分が刺してるとも知らずに
明日は我が身かもしれないのに ね
○「誕生日」
息をしたただそれだけが今僕を在らしめる唯一の実証
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