自覚

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「今日は普段のお礼として、俺が買うよ」 「え!? いやいや、いつもバイト代貰ってますから!」 「それだけじゃ感謝が伝えきれないね。これ買おうか、いいデザインだね。今買うと荷物になっちゃうから、帰りに忘れずに買って行こう」 「あ、ありがとうございます……」  成瀬さんにプレゼントされてしまった。なんだか心臓がきゅうっと痛い、狭心症だろうか。  家で使うものを一緒に見ているって、なんだか不思議な気持ちになる。自分のプライベートを相手に見せてしまっているような、そんな感覚だ。私は成瀬さんの家とかはもう見てしまってるけど、私の家に招待なんてしたことはないから、どうもむず痒い。 「あ、二階がテーブルとかあるって。佐伯さん行こうか」 「はい!」  私たちはそのまま階段を上っていく。  二階にたどり着くと多くのソファやローテーブルなどが並んでおり、かなり種類は豊富のようだった。お洒落なデザインに心が踊り、私は目を輝かせる。 「わわ、色々ある! どれもいい、テンション上がる!」 「……ははっ」 「あ、ごめんなさい、うるさくて」
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