勇者の慕情

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「姉ちゃん。婚活はどうなった?」 「婚活・・・全然うまくいかんよ。そっちの竜騎士団長でも紹介してよ。」 「あいつなあ。姉ちゃんのとこに送り込みたいよ。マジでうっとうしい。」 「え、そんなやつなの?」 「味方ならいいけど、講和しただけだから。半分敵みたいなもんだよ。細かいミスをつついてきてめんどくさい」 「たいへんだね」 「姉ちゃんもな。ほんと、お母さんのこと、頼むよ」 「うん。元気にしてるから大丈夫。今度お父さんと温泉旅行に行くって。」 「うわ、いいなあ」 「そっちは温泉はないのん?」 「入浴する習慣が、あんまりない」 「げっ」 それは初耳だった。弟はだいぶ臭くなっているのか? 「だから今、セーブポイントに温泉を掘る事業をやってる。セーブポイントは地脈の上にあるから、掘ったら温泉が出るはずなんだ。国王も興味持ってくれてるから、魔王倒したら真剣にやろうと思ってる」 セーブポイントとは、冒険や戦いで得た経験値を記録することができるポイントだ。冒険者だけではなく商人も取引の内容をここに記録する。そうすると、大地の力で中央の個人オーブに転送されるのだ。 しらんけど。
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