達也③

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 僕はもう一度外へ出た。だが、亜里沙を捨てた場所がどこかわからなくなってしまった。たいした距離ではないのに探しても探しても見つからなかった。いくら吹雪いているからといって、すっかり体を隠してしまったとは考えにくい。僕は必死に探し回った。だが、全身が思うように動かなくなってきたので戻った。 「あった?」由香里が訊いてきた。 「見失った。ごめん」 「どういうこと?」 「ごめん、どこに捨てたかわからなくなって」 「何それ」 「ごめん」 「どうするの?」 「何が?」 「見つかったら」  小さく開いた口が固まる。言葉が出てこない。全身が真っ白に染まっていくような寒気を覚えた。テレビに目をやる。聞こえてくる音を頭が理解していなかった。 「ドア、閉めてよ。寒い」 「ごめん」 「どの辺に捨ててきたの?」 「何が?」 「死体」 「わかんないけど、そんなに遠くないところ」  由香里が大きなため息をつき、立ち上がり、 「私も探してくる」
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