第7話 幼き日の思い出

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第7話 幼き日の思い出

 この日もソフィは窓辺の椅子に座り、お気に入りの本を読んでいた。  女の子が主人公で、美しい蝶が登場するおとぎ話のような本で、ソフィは今までに何度も読んだことがある。  昼下がり、紅茶を飲みながらゆったりと本を読むソフィに、突然物音が聞こえた。 「なにかしら?」  そっと本から目を離して音のしたほうに視線を向ける。  そこには、幼い頃ジルと撮った写真が飾られているフォトフレームがあり、強めの風に煽られて倒れていた。  ソフィは椅子から立ち上がり、ピアノの上に飾られたそのフォトフレームを触り、もとのように立て直す。 「懐かしいわね……」  ふとソフィは5歳頃に撮った写真を眺め、微笑む。  ソフィは5歳、ジルは一つ上の6歳の時にルヴェリエ邸で撮影されたものだった。
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