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その時、突然ソフィの瞳に眩しい太陽の光が入り込み、名前を呼ぶ声が耳に届く。
「ソフィっ!」
「ジル……?」
ジルはソフィのもとに駆け寄り、「もうだいじょうぶだよ」と言葉を駆けながら優しくソフィの涙を拭う。
「どうしてここがわかったの……?」
「ソフィならここなんじゃないかっておもって」
ジルの足元は土がたくさんつき、顔にも庭園に咲いているバラで切ったと思われる切り傷もあった。
ジルが自分のために庭のあちこちを探し回ったことを悟ったソフィは、感謝の気持ちを伝える。
「ありがとう、ジル……」
「僕はソフィがどこにいても必ず見つけるよ」
二人で手を繋いで本邸に戻ったときにはかなりの時間がたっており、ソフィとジルは両親たちに大層心配され、叱られた──
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