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「あの時、ジルは一生懸命私を探してくれた……」
愛おしそうに写真をなでながら、ソフィは呟く。
(いつもは姉のように振舞っていた私だったけど、いざって時に私を助けてくれる……それに……)
ソフィは頬を赤らめて、少し俯く。
(いつだってジルは優しくて……それに私をドキドキさせる……)
ジルを思い出し、ソフィは心が締め付けられるような気持ちになる。
風がソフィの赤い頬を撫でていく──
「失礼しますっ!」
写真を見つめて物思いに耽るソフィのもとに、メイドが慌てたようにやってくる。
「メアリー? そんなに急いでどうしたの?」
ソフィの側近メイドであるメアリーは珍しく息を切らせて走ってきた。
すると、真剣な表情でソフィに告げる。
「ジル様が…………ジル様がお倒れになったとの報せが……!」
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