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「きゃっ!」
後ろ向きになったソフィの背中に熱い背中が当てられる。
次第にジルは、ソフィを捕まえるように大きくたくましい腕で抱きしめる。
熱い吐息がソフィの耳元にも届き、ソフィの身体が内側から熱くなっていく。
「ソフィ……、もう絶対離さないから」
「っ!!」
ソフィはいつもより吐息が多めで低音なジルの声に、お腹の中がきゅっとして身体の芯が熱くなる。
腕を離され、ようやく解放されたと思われるソフィだったが、今度はジルのほうを向かされて頬を撫でられる。
「ジルっ……」
ソフィの頬と髪を往復するようにジルの大きな手が撫で上げる。
「ん……」
熱のせいで苦しそうな表情を見せるジルのサファイアブルーの瞳は揺らめき、目尻のほうに涙が光っている。
服を脱ぎ捨てたことにより、布を纏わないジルの鍛え上げられた上半身があらわになっている。
ソフィはジルに腕を掴まれると、筋肉のしっかりついた身体で抱きしめられる。
(──っ!! こんなにがっしりしてる……ジルも男の人なんだ……)
「ソフィ……、愛してる……黙って俺のものになって」
「──っ!」
耳元で熱く囁かれて沸騰しそうになる。
いつもより荒っぽい、強引なジルに驚きを隠せないソフィ。
抱きしめられた腕から解放されると、ジルは熱っぽい視線でソフィを見つめる。
「もう無理、我慢できない……」
「──っ!!!!」
そう言うと、一気にソフィとの距離を詰めて熱くしっとりとした唇をソフィの小さな唇に押し付ける。
ジルから注がれる熱なのか、自分自身の熱なのかわからないまま、頭がぼうっとするソフィ。
甘く甘く、そして獣のように求めるジルの欲望は一気にソフィに伝わる。
「はぁ……はぁ……」
ようやく解放されたソフィは息が上がり、呼吸が乱れる。
突然の熱っぽい展開にソフィは頭が真っ白になっていく。
すると、ソフィの肩に急にジルの身体がのしかかる。
「ジル……?」
ジルの様子をうかがうと、ジルはそのまま眠るように気を失っていた。
ソフィはくらくらする頭を無理矢理働かせながら、ジルの看病を続けた──
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