第4話 二人きりのお茶会

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第4話 二人きりのお茶会

(はぁ……なんだかそわそわするわ)  その日、ソフィは朝からずっと落ち着かず、部屋を出ては入り、出ては入りを繰り返していた。 (今日はジルとのお茶会の日。なぜかしら、あのお誘いを受けた日からジルを思うたび、ふわふわする。どうしましょう……風邪でも引いてしまったのかしら……)  思い悩みながら部屋と廊下を行き来するソフィ。  お茶会はルヴェリエ伯爵邸の庭園でおこなわれることになっている。  先程ジルが到着したとの知らせをメイドから聞き、ソフィは庭園に向かう。    庭園に向かう途中のソフィの脳内では、先日の自室での出来事がフラッシュバックしていた。  ジルがおもむろに跪き、ソフィの手の甲に口づけをするシーンが脳内に焼き付いて離れない。 (──っ!)  その出来事を思い出しただけでソフィは顔が真っ赤になり、思わず両手で顔を覆って立ち止まってしまう。 (やだわ……どうしてなの……ジルのあの姿が離れない……)
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