第15話 お家騒動極まれり~Sideヴェーデル伯爵家~

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「くそっ! なんでこんなことに……」  ヴェーデル伯爵はそれはもう部屋中に紙やら本やらを巻き散らかして必死に帳簿を手元に集める。  それゆえ、近づいてきた人物たちの気配に全く気付かなかった。 「お手伝いしましょうか?」 「いいっ! 使用人ごときがなんとかできるものでは……っ!!!!!」  ヴェーデル伯爵の手が止まった。  なんと伯爵の前で手を差し伸べていたのは、エルヴィンだったのだ。 「ア、アイヒベルク公爵……」  そしてエルヴィンの後ろには、第一王子クリストフ、横にはシャルロッテがいた。 「さあ、『国の使い』が3名やってまいりましたよ」  そういってエルヴィンは不敵に笑った──
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