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「え、エルヴィンさま……」
シャルロッテは恥ずかしさとこそばゆさを感じ、そして胸が苦しく呼吸が乱れた。
そして、ようやくエルヴィンは首元から顔を離し、シャルロッテの目を見つめる。
今度は優しい顔つきで頬をなでた。
「ごめん、どうしても耐えられなかった」
「どうかされたのですか?」
少し目に涙をためるシャルロッテに気づき、エルヴィンは細い指先で涙をそっと拭う。
「君がクリストフに触られたのをみて、あのあと仕事が手につかなかった」
(あ……手の甲に唇をつけられたあのこと)
「あの場では感情的ではないといったけど、心の中ではものすごくどろどろと嫉妬の波に襲われていたよ」
「嫉妬?」
「もしかしたらシャルロッテはまだその気持ちは未体験かもしれないね。すごく辛いものなんだ、そして醜い」
「でもエルヴィンさまは私のことを思って『嫉妬』してくださったのでしょう? ならば私は嬉しいです」
シャルロッテはいつもしてもらうように、エルヴィンの頬をなでて微笑む。
「エルヴィン様から想ってもらえて、私は幸せです」
「──っ!」
無邪気な笑顔を見せるシャルロッテに、エルヴィンはさらにまた彼女が愛おしくなる。
「君って子は……ほんとうに私の扱いがうまい」
「え?」
「でもいけないよ、煽りすぎると」
そういってエルヴィンはシャルロッテの唇のすぐ横に唇を当てる。
「──っ!」
「今度は逃がさないからね?」
一瞬で普段の優しい顔から獣のように鋭い視線を送るエルヴィンに、シャルロッテは顔を赤くして俯いた──
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