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第2話 初めまして公爵様
シャルロッテは妹に連れられ、自我が目覚めてからは初めてヴェーデル伯爵邸の本邸に足を踏み入れた。
豪華なシャンデリアに真っ白い壁、絵画や骨董品の美術品の数々が廊下を彩る。
「お父様、お母様、入りますわよ」
「ああ」
エミーリアはドアをノックしてヴェーデル伯爵と夫人がいる執務室へと入る。
(すごい豪華なお部屋……)
シャルロッテは自分の住む世界と全く違う明るい世界に、そわそわとして落ち着かなかった。
「お父様、お母様! シャルロッテを連れてきましたわよ」
「ご苦労だったな」
ヴェーデル伯爵は手紙を書いていた手を止めて、エミーリアのほうを見つめて言う。
「まあ、相変わらず汚い身なりだこと」
夫人は手で顔を覆い、上半身を後ろに引いて、汚物を見るような目でシャルロッテに視線を送る。
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