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僕はキト
母ちゃんがつけてくれた名前なんだ
キトは希望の希に、渡す。
希望をつなげたってことらしいよ
この間僕はお空組になっちゃったんだけど
その時天の神様が言ったんだ
「名前は?」
「キトです」
すると神様は
「それは希望を渡すっていう意味なんですね、とっても良い名前をもらいましたね」
ってさ、
僕は正直その時までその意味なんて知らなかったけど神様はちゃんとわかってたよ
そしたらさ
「では、あなたの使命を伝えましょう」っていうんだよ
つまり、
この名前はずっと僕に与えられる予定だったらしい
母ちゃんはそんなこと知らなかったと思うけど、神様の計らいでこんな形になったらしいんだ
僕の使命って一体なんだろう?って思ってたら
「あなたはこれから先もずっと命を繋ぐお手伝いをするのですよ」
っていうじゃないか
そんな大それたことよくわかんないよ
でもね、知らず知らずに僕はそれをやっていたらしく、
今でも母ちゃんはいろんなわんこの命を繋ぐお手伝いをしてるけど、
僕が来てから、結構大変な子達を引き取ることも多かったみたい
僕のことはとってもよくみてくれて、僕に不自由は何一つなかった
時々
かあちゃん!
って呼ぶ時は、背中が痛いとか、手が曲がってるとかそんな感じの時でね
すぐわかって撫でてくれたっけ
そんな母ちゃんだから
この先もずっとそういう子達がそばにいられるように、
命を繋いでいくように僕が仕掛けるようにするらしいんだけど、
母ちゃん大丈夫かな
そっと見に行くと
母ちゃんは泣いていた
僕がいなくなって泣いていた
なんでだよぉ。母ちゃん
キトは楽しかったのかな?幸せだったのかな?
そんなことばかり繰り返している
バカだな母ちゃんは
いつも、つまづいたり、手を挟んだり、
おっちょこちょいだけど、
やっぱり、何もわかっちゃいない
僕はとても幸せだったんだ
ああ、この気持ちを伝えられないなんて
僕は悔しくてジタバタした
でも
そうか、
その気持ちを伝えるためにずっとまだそばにいる子たちに笑顔を見せるように教えよう
それが繋ぐってことなのか
やっとわかったぞ
僕は早速まだそばにいる子たちに伝えたさ
母ちゃんを頼むよ
母ちゃんに笑顔見せてよ
みんな、
笑ってうなづいた。
良かった。僕の使命も名前の意味も全部全部決められたことだったんだ。
だからさ
これだけは最後に伝えたいよ
僕はこの名前を持って
これからも希望を運んでいくよ。
だから母ちゃん
泣くなよ
僕は最高に幸せだったんだ
作龍翔琉
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