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「実は数日前からメロディーに別れようって言ってんだがズルズルされて困ってる。どうしたら良いと思う?」
それよそれ!
色恋を相談されても酒の肴としか思えないんよ。家族が病気でとか、職場の上司にパワハラされてるとかだったら親身に話し聞けるけどさ。この手の話し私適当なことしか言えんよ。
「あいつさ、良い歌詞は書くけど根性がひん曲がってんだ。プロを本気で目指しているならまだしも、そうでないならまともに仕事して欲しいって俺は思ってる」
「ひん曲がった根性ってなにさ?」
ちえみ諦めて仕方なく訊いたよ。
トホホだよ。こうやって聞き返すと話し長くなるんよね。
「キャバクラで働いているけど、モチベ皆無だから客もつかない。偶に店の客から電話掛かって来てるが殆ど無視。出たと思えば電話掛けてくんなゴミ虫がつって切ってるしよ。なら昼職でコツコツ働けって言ってみたがその根性もない。終いには俺にスマホ代とか生活費せびってくる始末だしな」
メロディー、アツシをヒモにしていました!
羨まし~、じゃなかった。よくないよね。
「メロディーって月の稼ぎどのぐらいあるのさ?」
「2万ぐらいじゃないのか? 月に出勤していくの二三回だしな」
「殆ど気晴らしか気まぐれの頻度」
「だろ?」
「そんなに言うならいっそう手切れ金とか渡して片付けちゃえば? な~てね、冗談よ冗談!」
あ〜時間よ戻れるかな。口は災いの元って言うよね。数分後に自分の舌を呪うことになるとわさ。
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