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アツシのタワマンに行くと貸切ルームに通されたっけか。
大概タワマンには最上階から3、4階下の階に住居者が知人を呼んでパーティーをしたり、マダムがただ食っちゃべったりと自由に使える予約制のLDKのルームがあるんだけど、あの日はアツシの気分だったのかそこだったね。
リビングだけで私のマイホームがすっぽり収まる広さなんよ。思い出すだけでいつもキィィィーッてなる。不条理か!
貸切ルームに入るとメロディーがいたよ。私とマッキーが挨拶する。
「メロディー久しぶり。夏以来だよね?」
「おお、メロディー、白のフリルのエプロンとはえっちいじゃん?」
「ご無沙汰しております。主人がいつも――」
「俺がお前といつ結婚した!」
そう、お気づきの通りあのポームレスのメロディーちゃん!
此処でメロディーも紹介しとくね。
メロディーはアツシの同棲中の彼女。アツシやマッキーの曲に歌入りしてくれている子で、まあ、音楽を作る過程でそのドラマの中に入って行った二人が恋に落ちるのはあるあるだよね。
彼女は容姿も性格も渾名の通りの不思議ちゃん。本名も年齢も何から何まで不明、ていうか、そこまで興味ないから尋ねた事がないだけなんだけどさ。それでも仲は良い方だったよ、たぶん。
ただ、マッキーからはあの日、不穏なことを聞いていた。訪問する前の事前情報というやつだ。
「あいつらいま別れ話してま~す」
ちえみ、即答したよね。
「そ ん な と こ ろ に よ ぶ ん じゃ ねぇ!」
でも悲しいかな、乙女心は霜降り肉には勝てませんでした。
焼肉パーティーはマッキーが私の肉を少し多く強奪したことを除けば概ね楽しい会だったよ。そう言えばアイツまだ私の肉返してくれてないよね?
トイチの方程式で行けばもう結構な霜降りになるのマッキーわかってるかしら?
まあ、ちえみ、心広いからすぐに取り立てたりはしないよ。ただ、踏み倒そうつっんなら!
(#^∀^)゛o゛今ハ笑ッテルケド殴リマスヨ?
以降はアフタータイムの話し。
此処からは当時の視点でお話しするよ!
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