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放課後を迎えると嶺歌は早速竜脳寺竜脳寺の通う金神流王学園へ足を向けた。
調べて分かった事だが、彼の学校は元婚約者である形南と隣の学校であった。
彼は日々部活に励んでいるようで、今日も放課後は部活の予定だ。嶺歌が張り込んで観察をしたためその点に間違いはなかった。
竜脳寺は剣道と空手の二つを部活で掛け持ちしており、基本的には空手に力を入れているのだとか。彼はどうにも性格に似合わず優秀な生徒らしい。勉学も運動も人付き合いもかなりのスペックを兼ね揃えたいわゆるエリートのような存在のようだ。
形南を裏切った時点で嶺歌からすれば他所から親しまれていようと嫌悪感しか抱かないのだが、そんな彼の立ち位置は、復讐者としてはかなり都合が良い。
部活に勤しんでいるであろう空手の部活場へ足を運ぶと彼は案の定広い体育館で相手と空手の組み手を交わしていた。
暫し組み手を眺めているとどうやら竜脳寺の方が相手よりも上手のように見える。
嶺歌は時を待ちながら組み手が終わるのを待つ。タイミングは既に自身の中で決めていた。
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