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「そのお方は貴女様と同じ御校に通っておりますの」
「えっ……」
これには驚いた。だから彼女は見ず知らずの自分を協力者に選んだのだろうか。
同じ高校に通い、万能な魔法少女である嶺歌だからこそ自分は選抜されたのかもしれない。
疑問点はまだ多くあったが、一つの謎はこれで解けた気がする。
嶺歌は妙に納得していると、形南にはまだ話の続きがあるようで「それと」と言葉を付け加え始めた。
「私、貴女とお友達になりたいのですわ」
「……はい?」
「ふふっ言ってしまったわ!! ああどうしよう! ねえ兜悟朗、聞いておりました!? 私ちゃんと言えましたのよ!」
先程より興奮気味になった形南はそう言って黙々と運転をしていた兜悟朗にそう声を掛ける。
すると彼は「はい。聞いておりましたお嬢様。御立派でしたよ」とそんな言葉を返している。
自分は一体何のやり取りを見せられているのだろう。嶺歌は再び混乱し始めていた。
一拍置き、多少落ち着いた様子に戻った形南はもう一度こちらに目を向けると微笑ましそうな笑みを向けて口を開く。
「魔法少女であり、友好的な貴女様だからこそお友達になりたいのですのよ。是非私のお願い、引き受けていただけるかしら?」
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