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第十八話『翌日』
目を覚ますとそこは自宅のベッドの上だった。朝日がカーテンの隙間から差し込み、早朝であることを理解する。昨日はあれからずっと眠ってしまっていたようだ。
「どうやって帰ったんだろ」
眠気はもうない。ぐっすりと眠ったせいか身体も軽く感じられる。しかし昨日の記憶はあの場で形南の復讐を見届けたところで途絶えている。
嶺歌は自分のスマホを探し始めると数秒して机の上に置かれている事に気が付いた。
『嶺歌、本日はお疲れ様でございますの。ゆっくりお休みになられたら、ご連絡してちょうだいね』
そしてスマホの横に小さなメモ用紙が置かれており、そこには形南の手書きのメッセージが添えられていた。
「れかちゃん」
すると突然部屋のドアがノックされ、嶺歌がいいよと声を返すと扉の向こうから嶺璃が入ってくる。そして妹の姿を見て今日は休日であることを思い出した。
「おはよ嶺璃」
嶺歌が口元を緩め、そう挨拶の言葉を向けると嶺璃は途端に嬉しそうな顔をしてこちらに抱きついてきた。甘えん坊な妹だが、そんな彼女に癒やされているのも事実だ。
「れかちゃん〜! 昨日キラキラした女の子がね! れかちゃんの友達だって言ってて、わたしが妹だって言ったらこれくれたの!」
「ん?」
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