第二話『疑問を問う』

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 形南(あれな)の話を静かに聞いた。口を挟むのも無礼だと考えた嶺歌(れか)はそのまま彼女が話し終えるまでただただ話を聞く事だけに神経を集中させた。  一番の疑問である、魔法少女の存在の認知についてはこのような回答であった。  通常、財閥と言えども魔法協会の重要な機密情報を口外する事は有り得ない事だ。  しかし例外としてそれが特別な財閥であれば話は別であった。  そう、形南はただの財閥ではなく、世界中の誰もが知り得る大きな財閥グループの一つであるご令嬢であったのだ。  その話を聞いて嶺歌も後にその名を明確に思い出す。  テレビやネットでその苗字を聞いた事が少なからずあったからだ。忘れていたというよりはきちんと頭に入っていなかったのだろう。  それは明らかに動揺していたからではあるのだが、何故この瞬間までその有名な苗字を聞き流していたのかと恥ずかしい気持ちになった程である。  つまり大規模な財閥の一人娘である形南が、一般人には触れる事さえ叶わない程の額の金銭を魔法協会に渡したのである。いわゆる賄賂だ。  念の為額を聞いてみるとそれは億どころではないとんでもない額の賄賂であった。  確かにこれほどの額で、それを依頼した人物がとんでもない財閥のお嬢様であれば、魔法協会が口を開くのも頷くしかない。納得だ。
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