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第二十話『第二の復讐』
謝礼のパーティーはとてつもなく楽しかった。
言葉通り、一生忘れる事のない素敵な思い出となるだろう。
嶺歌はあの後トイレに駆け込むと大きく深呼吸を繰り返し、自身に対して冷静にと唱え続けていた。
そうしてようやく落ち着きを取り戻したところで会場に戻ると、いつも通りに振る舞うことができていた。
あんなに恥ずかしい台詞を本人の前で言ってしまった兜悟朗にも普段通りに言葉を発することができており、嶺歌は本調子に戻っていた。まあ多少、顔が熱くなる事は何度かあったのだが。
実のところ兜悟朗のお世辞のない褒め言葉が繰り出される度に嶺歌の顔が赤くなっていたのは事実である。だがそれでもそれを引きずるような事はその日はもうなかった。
そしてその一週間後、形南と約束した野薔薇内蘭乃への復讐が行われた。
しかし嶺歌が予想していた通り、彼女はこちらが何かを仕掛ける前から憔悴していた。
それは言わずもがな竜脳寺が野薔薇内を手離したからだ。
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